各種規程の整備と運用


就業規則の見直し

貴社の実態にあった規程にしましょう

就業規則を作成するのは、下記のタイミングが多いと思われます。

1)事業立ち上げ時、許認可申請のため

2)ハローワークで求人票を出すとき

3)労働基準監督署の調査を受けたとき

4)社内でトラブルがあり、必要に迫られたため

 

1や2の理由で作成したまま放置している場合は、現在の貴社の実態に合っていない可能性が高いです。それは、何かの見本や同業他社のものをそのまま利用していることが多い為です。

二つとして同じ会社が無いように、100社あれば100通りの就業規則になる筈です。

・業種と設立時期

・人数規模と構成

・会社の経営状態

・経営者の考え方、社風

・労使慣行

・雇用管理に関する経緯

上記の要素を考慮して、最適なルールを作成することが大切です。

厚生労働省HPより

モデル就業規則について |厚生労働省 (mhlw.go.jp)

Word版もあり、自社で作成する場合に便利です。

・一旦作るとそれが労使双方のルールとなること

 →従業員にとって不利益な内容に変更する場合は、各種の要件を満たす必要があります。

・法令上義務のある事項は、記載しなくても守る必要があります。「これだけは従業員に守って

 欲しい」任意の事項(服務規律など)を記載することが大切です。


各種規程の運用

「作る・見直す」より、「運用」が大事です

例えば、「年次有給休暇取得日は通常の賃金を支払う」というルール、

労働基準法の条文どおりなので、就業規則にもそう書いてあることが多いです。

では、退職前に年次有給休暇を取得し、丸々2か月出勤しなかった場合でも、通勤手当の支払い

は必要でしょうか?

1)通勤手当は固定的賃金なので通常の賃金と考えて支払う

2)通勤手当は実費弁償なので、発生していない期間については支払わない

これは、労使慣行や通勤手当の支払い方(6か月定期の1/6を毎月支払っている場合など)に

より、どちらがより適切かが変わってきます。

(労働基準監督署に問い合わせた場合、契約上支払う約束が無ければ、実働の無い期間に支払わなくても法違反とはいえない、という回答になります)

トラブルを避けるために、ルールをもう少し細かく決めておくか、運用についての考え方を社内で統一しておく必要があるでしょう。

このように、当たり前で簡単に見えるルールでも、運用に悩むケースはたくさんありますので、

運用に重点を置いたルール作りを心掛けることが大切です。